「令和を生きる冒険家」として、北海道を徒歩とヒッチハイクで一周したり、江戸川を端から端まで歩いたりと、ひとり旅の様子をSNSで発信している24歳のメルっち。なんと今年の7月の中旬、バイクで日本一周をすることに。そんな彼女を応援しようと、『今日の駒沢』では日本一周の旅の様子を連載していく予定です。
連載に先駆けて、メルっちとは一体どんな人なのか。なんで日本一周をしようと思い立ったのかなど、出発前のメルっちにお話を聞きました。イタリア製バイク「ベスパ」との運命的な出会いや、北海道でのスポンサー獲得秘話まで、彼女ならではのユニークなお話が盛りだくさん。皆さんもどうぞ、メルっちを応援してください!
ワクワクの賞味期限を切らさない
そもそも、なんで日本一周をしようと思ったんですか?
【メルっち】ひとつはワクワクするからです。大学4年生の頃に夏休み期間を使って、歩きとヒッチハイクで北海道を一周したんですが、その延長として新卒で日本一周しようと思っていました。でも大学から声をかけていただいて、助手として働くことになって。2年間勤めたんですけど、もしかすると明日死ぬかもしれないし、1年後にはワクワクの賞味期限もなくなっちゃうかもしれない。任期はあと1年残っていたんですが、いまの日本一周に行きたいワクワクした気持ちを優先したいと、今年日本一周することを決めました。

すごい行動力!
【メルっち】もうひとつの理由として、もし80歳までしか生きられないとしたら、24歳の私は余命が56年しかないんです! やばい、時間がないと思って。死ぬまでに何がしたいかを考えた時に、もちろん働いて社会貢献することも大事ですが、今後30年以内に大震災が起きるという話もありますし、明日が保障されていない世の中なので、すぐに飛び出したい気持ちが大きくなったんです。
同年代だと、大学を卒業して、いい企業に入って、お金を稼ぐことがスタンダードな進路だと思います。周りからはどんな反応でしたか?
【メルっち】同世代からは「メルっちらしいね」とか「面白そうだね」と、プラスの意見が多くて。逆に、お父さんお母さん世代だと「ちゃんと働いた方がいい」「ひとつの企業に勤めあげて、退職金をもらわないと」と、将来についてのお説教をいただくこともありました。でも私、就職活動を一度もちゃんとしたことがなくて。
いろんな就職活動の形があると思うんですけど、一般的には企業と就活生のいいところの見せ合い大会な側面があって、それが苦手だなと。実際に入社した後、お互いにズレを感じることもあると思います。一緒に働く人も選べないし、じゃあ私は違う道に進もうと思ったんです。

ファミレスに入る救急車にアタック
日本一周のスタートはいつからですか?
【メルっち】6月中旬の予定です!バイクで旅をするんですけど、いまバイクの塗装をしてもらっている段階です。
バイクで!
【メルっち】もともとは自転車でやろうと、自転車の会社にスポンサーになってほしいとアタックしてたんですけど、最終的な折り合いがつかずに白紙になりました。そんな時にイタリア製バイクの「ベスパ」界で有名な人と知り合って、ベスパで日本一周することになったんです。
ベスパの方との出会いは、ファミレスと聞いたんですが…。
【メルっち】出会いはCOCO’Sです。帰り道にお店のそばを通ったら、COCO’Sの駐車場に救急車が1台入っていくのを見たんです。サイレンが鳴ってない救急車で、そこから男性3人が降りてきたんですけど、どうやら救急車をマイカーにしているみたいで。
え!!!
【メルっち】そんな人いるんだ!と思って、勇気を出して話しかけてみました。すると「ちょっと見てみてる?」と中を見せてくれて。どうやらベスパのコミュニティの人たちで、そのうちの一人がベスパ界で有名な方でした。救急車もその方の所有物で、後ろのストレッチャーを降ろして修理するベスパを載せたりと実用的な部分もあったり。そこからCOCO’Sで一緒に夜ご飯を食べることになって、深夜2時まで話してたんです。
その方はベスパを130台以上コレクションしていて、それらが所蔵しているベスパ博物館に誘ってもらいました。ちょうど日本一周の計画がゼロベースになっていた頃だったので、相談してみると「じゃあベスパでやるのはどう?」と提案してくださいました。
すごい出会い。じゃあベスパで日本一周するんですね。
【メルっち】バイクの手配と修理、塗装と整備などを全部やってもらって、完成したバイクを買い取ることになりました。バイクの色はベスパにちなんで、イタリアの国旗カラーに塗装してもらいました!
(バイク完成写真入れる)
かわいい!
【メルっち】でも、実はバイクで日本一周をやると決めた時には、バイクの免許を持っていなかったんです。ベスパに乗るのは2月に決まったので、そこから教習所に通おうと思ったんですけど、近くの教習所は繁忙期で二輪の教習を止めていると言われちゃって。4月からだと入校できるけど、卒業見込みが6月以降になるとのことで、どうしようと悩んでいたら「バイクには一発試験がある」と教えてもらって。
一発試験ですか!
【メルっち】教習所に通わずに、一発勝負で技能試験を受けるというものです。難易度が高くて有名な一発試験なんですけど、そこに賭けてみるのもアリじゃないかと。ベスパを手配してくれている方が過去に二輪の講習会を白バイ隊員と一緒にやってたことがあったので、試験対策も一緒にやらせてもらいました。
試験に落ちると、次に受けられるのは一ヶ月後になるんです。2月末の1度目の挑戦も3月末の2度目の挑戦も落ちちゃって。3度目の正直として4月末に挑戦したらやっと受かりました。出発予定日が迫っていたので、本当にギリギリでしたね。
北海道でスポンサーを獲得
他にもスポンサーさんがいるとか。
【メルっち】ゼンキ工業株式会社という金属のリサイクルを行っている会社さんです。クマスプレーやクマ鈴、防犯ブザーとかの安全面の備品や衣類を支援していただきます。
どういう経緯でスポンサーに?
【メルっち】初めて北海道に一人旅に行った時に、ホッキ貝のカレーが有名なマルトマ食堂に行ったんです。朝10時半から並んでたんですけど、その日は1月でマイナス2度だったんですよ。でも私の前に並んでた人が、スーツの上に薄いコート1枚という格好で。
それはめちゃくちゃ寒そう!
【メルっち】ですよね! カイロをたくさん持っていたので、「よかったら使ってください」と5〜6枚渡したんです。店内に入ったら席が隣で、少しお話をしたら「もしよかったら次の目的地まで送りますよ」と言ってくださって、車で送ってもらいました。
その頃は「冒険家になりたい大学生」という名前でYouTubeの活動とかをしてたんですけど、車の中で「冒険家といっても『キリマンジャロに登りたい』とか『南極大陸に行きたい』とかではなく、大学生が何か挑戦することによって、一歩踏み出す勇気や笑顔を人に届けたいという思いからやってます」というお話をして。そしたら後日、YouTubeの方に「会社で応援したい」というコメントが届きました。実はゼンキ工業の専務取締役の方だったんです。

面白い。営業を頑張ってスポンサーを獲得したのかと思ったら、まさかそんな出会いだったとは。
【メルっち】「どうやってスポンサーを獲得したの?」と、よく聞かれるんですけど、説明を省くと「カイロを渡したらスポンサーになってくれた」ってなってしまうんです(笑)。
縁の深い駒沢公園から日本一周スタート!
日本一周のスタート地点は、どこの予定ですか?
【メルっち】駒沢公園です! 小学校の頃は遠足で駒沢公園に来ていたり、中高生の頃はあまり勉強が得意じゃなかった代わりに運動やスポーツが好きだったので、体育祭や部活のために、駒沢公園で走り込みの練習をしていました。自分に縁のある公園なので、スタート場所として選びました。
駒沢公園から北上していく予定です。北海道まで行ったら、日本海側から南下して左回りで一周していきます。期間は来年の3月までと決めていて、実は最終的に「移住先を探す」という目的があるんです。「日本一周してます」だけだと、何をしたいのか分からないし、声もかけづらいと思うので、ゼンキ工業さんにパーカーも特別に作ってもらいました!

なんで移住することに?
【メルっち】私は東京出身なんですけど、「都会育ちだから何も苦労しないで生きてきた」と誤解されることがあって、それが嫌でした。東京で生まれたからできることもいっぱいあるので、ないものねだりかもしれないんですけど、住んでいる身からすると、毎朝満員電車に乗らないといけないし、空気も汚れてるしと、そんなことも思ったりします。
でも地方は空気がおいしいとか時間の流れがゆったりしてるとみんなが言う一方で、地方には地方で大変なこともあるはずです。それを知るための旅でもあるので、旅が終わったら移住先で仕事を見つける予定です。

毎日の宿泊はどうしていく予定ですか?
【メルっち】テント一式を持って旅をするので、基本的にはキャンプ場か、ゲストハウスか、野宿で考えています。全国で熊の出没が相次いでいるので、熊の出没場所が分かる「クママップ」と照らし合わせながら宿泊場所を選ぶ予定です。たまにゲストハウスやホテルに泊まるかもしれませんが、月10万円でやりくりする予定なので、かなりの節約旅になると思います。
食費もガソリン代も込み込みで10万円!
【メルっち】はい。だから結構カツカツです(笑)。
でも、すごく楽しみですね。不安はありませんか?
【メルっち】多少ありますけど、不安よりワクワクが勝っちゃっています。早く行きたいです!

*メルっちの日本一周の旅の様子は、今後連載としてお届けする予定です。乞うご期待!
『今日の駒沢』編集部
駒沢エリアの情報を発信するウェブマガジンの編集部です。駒沢大学駅に隣接した商業ビルの運営・施設管理・テナントへの賃貸業務を26年、株式会社イマックスが、駒沢エリアに住む人、働く人、活動する人…とたくさんの市民の方々と一緒に運営しています。「駒沢こもれびプロジェクト」を通じて、駒沢エリアに関わるすべての方々に役立つ情報を発信しています。
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