8月上旬に、バイクで日本一周旅をスタートさせた25歳の令和に生きる冒険家、めるっち。『今日の駒沢』では10日に1回、めるっちの記録を連載としてお届けしていきます。今回は28日目〜37日目に、宮城県石巻市と、岩手県に滞在した記録です。石巻市では、2011年に起こった東日本大震災を経験した人たちのお話を聞いたり、記憶と記録が残る場所をたどったりと、自分なりに震災と向き合うめるっち。泊まる宿の人たちは暖かく迎えてくれ、作り手の想いまで伝わる豪華な食事を提供してくれます。さらに苦手なサウナにもチャレンジ! 時には失敗がありながらも、出会う人たちの無償のおもてなしに、癒されるめるっちなのでした。そんな彼女の旅をぜひ楽しんでください。
【28日目】石巻市へ
📝旅カルテ
出発地:宮城県仙台市
到着地:宮城県石巻市
走行距離:45km
累計走行距離:968km
天気:晴れ
🔋今日を終えてのHP
★★★★★☆☆☆☆☆
5/10
✨今日のハイライト
女将さんのおもてなし
💰今日の支出
合計 ¥7,090
▶︎食費 ¥1,590
▶︎宿泊 ¥5,500
——————————
累計支出 ¥113,643
💬今日のコメント
今日は、居候していた兄の家を出発する日。午前中は動画を一本作り、部屋の掃除をした後、4日間お世話になった兄にお礼を伝えた。
ここから先の北の地には、身寄りがいない。日本国内は広そうで狭いので、何かあればすぐに戻ってくることができるが、甘えず今日も前に進む。
道中、バナナを3本たべた。昨日行ったスーパーで値引きされていたバナナだったため、完熟しておりとても甘かった。バイクを走らせること40分、「カラオケバー フランク」にやって来た。

中に入るとほぼ満席。マスターみたいな立ち振る舞いのお客さんに席を案内され、端っこの席に着席。本日マスターは不在とのこと。
1,000円で12時〜17時までの間、カラオケ歌い放題、ソフトドリンク2杯、食べ物持ち込み可と、とてもリーズナブル。隣にいたお姉様に、このお店のシステムや宮城県でおすすめのカラオケ屋さんを紹介してもらった。
ステージ上で歌うのは気持ちがいい。ここのカラオケ屋さんは真ん中に広いスペースが設けられており、社交ダンスができるようになっていた。
簡単な自己紹介をした後、広末涼子さんの「MajiでKoiする5秒前」を歌った。すると、1組の男女が社交ダンスを始める。
「このテンポで社交ダンスできるのすごい!」
と感心しながら、お客さんと楽しい時間を過ごさせてもらった。
帰り際、来ていたお客さんに一枚のチケットをいただいた。

新日本舞踊に関して全く、無知な私。
ただこのタイミングでチケットをもらったからには、行かないという選択肢はなかった。
明日11時からのこのイベントに間に合うように、旅館を手配。ほっともっとで夕食を購入し、今日の宿へと向かった。

「桜や旅館」に到着すると、女将さんがお出迎えしてくれた。
「何で来たの? 1人なの? バイク? え? バイク乗るの?」
目を丸くしながら色々心配してくれた女将さん。バイクで日本一周していることを伝えると、興味を持ってくれて他にもたくさん質問が飛んで来た。
部屋に案内してもらい、ほっともっとで購入した「牛キャベ丼」を頬張る。すると女将さんがドアをノックして、
「これもよかったら食べてね!」
と前菜の盛り合わせを持って来てくれた。

夕食後、お風呂へ。いろんな種類のボディソープや、化粧水など、とにかくアメニティが豊富で女性に嬉しい旅館だなという印象を持った。
お部屋にもこだわりのマットレスや淡い照明、テレビ、収納スペースが完備されており「ここに住みたい」とまで思った。1時間仮眠をとった後、カバンに忍ばせておいたお菓子をたべ、明日の計画を立てる。
その後、1時間30分ほど作業を行い、2時就寝。
【29日目】猫がいるホテル
📝旅カルテ
出発地:宮城県石巻市
到着地:宮城県石巻市
走行距離:12km
累計走行距離:980km
天気:晴れ
🔋今日を終えてのHP
★★★★★★☆☆☆☆
6/10
✨今日のハイライト
ハズレ宿
💰今日の支出
合計 ¥8,271
▶︎食費 ¥1,147
▶︎宿泊 ¥6,300
▶︎ガソリン代 ¥824
—————————
累計支出 ¥121,914
💬今日のコメント
朝食を食べるため、7時30分起床。身なりを整え食堂へ向かうと、綺麗な女性が先に朝食を食べていた。
「女将さんから話を聞きました! バイクで日本一周されてるんですって?」
そんな会話から、朝食を食べながら1時間ほどお話をしていた。
その女性は地元の方で、友人が遊びに来た際にこの旅館に泊まり、「すごくよかった」ときいたことをきっかけに、実際に泊まりにきたとのこと。
もともとは2泊の予定だったが、あまりの居心地の良さと宿泊料金の安さに気づけば4泊しているんだとか。確かに、豪華な朝食付きで5,500円、2食付きでも7,000円と安すぎである。

豪華な朝食をいただい後に、近くに置いてあったピアノを弾かせてもらった。尾崎豊さんの「I love you 」を奏で終わると、女将さんと宿泊者の女性が拍手してくれた。
「このピアノ、前住んでいた家から持って来たばっかりで、誰かにこうして弾いてもらうことを楽しみにしてたのよ!」
と、女将さんが言う。
本当に嬉しかった。朝からこんなに気持ちのいいことはない。練習してよかった、頑張ってよかったと心から思えた瞬間だった。
チェックアウトを済ませ、女将さんに見送ってもらい次に向かったのは「マルホンまきあーとテラス」という、石巻市にある複合文化施設。
昨日カラオケ屋さんでいただいたチケットで、新日本舞踊若葉流の舞台を見に来たのだ。

「新日本舞踊」と言うものに触れる機会がなく、初めて舞台を見た私。踊り手さんの舞い方や所作の一つひとつが丁寧で、ダンスとは違った魅力が詰まった舞台であった。
途中、石巻市長による唄や、石巻市出身のお笑い芸人によるステージ、フラダンス、スコップ三味線の演奏など、4時間にわたって盛りだくさんの演目が繰り広げられ、終始楽しめる舞台であった(30分ほど居眠りしてしまったが)。
その後、15分間宿探しをすることに。
Googleマップを眺めていると、猫ちゃんと触れ合えるホテルを発見。クーポン利用して素泊まり6,300円と予算オーバーではあったが、大好きな猫ちゃんに触れ合えるならと思い切って予約することにした。
このホテルは猫ちゃんたちがいる棟と宿泊する棟とで別れており、チェックイン後すぐに猫ちゃんがいる場所へと向かった。ワクワクの気持ちで猫ちゃん部屋に入ってみると、わずか2秒でその気持ちを打ち砕かれた。
耐え難いほどの強烈な匂いが漂い、部屋から出た後もしばらく刺激臭が鼻に残り気分が悪くなるほどだった。部屋に戻り、コンビニで買った食料を冷やしておこうと冷蔵庫を開けると、そこには髪の毛が入っていた。
「このレベルか、、、きついな」
気分を立て直すため、仮眠を取ることにした。ところが30分後、悪夢を見かけ、すぐに目を覚ました。
あの臭いが忘れられず、食欲はなかったが、気分転換で散歩することにした。
「明日は大雨、どんな予定を組もうかな。」
そんなことを考えながら南に歩いていると、居酒屋さんを発見したので入ってみることに。
「お通し出していいですか?」
と確認された後、出て来たお通しがなんとまあ豪華だこと。

お通しでお腹いっぱいになるも、冷たいめかぶ梅そうめんを注文し、お腹を満たした。ここの女将さんは、口は悪いが愛のある素敵な方。来ていたお客さんと1時間ほど会話をし、店を出た。
来ていたお客さんとの会話の中で、東日本大震災のときに家を丸ごと流されてしまったと言うお話を聞いた。それから8年ほど、仮設住宅で暮らしていたとのこと。
「でもね、完全に家が流されて逆によかったと思う」
一見ポジティブにも聞こえるこの言葉だが、そんな言葉が私の胸を強く締め付けた。
猫ホテルに戻り、シャワーを浴びた。まだ猫と触れ合える時間ではあったが、1秒たりともあの場所に行きたいとは思えなかった。
23時、早めに就寝。
【30日目】桜や旅館
📝旅カルテ
出発地:宮城県石巻市
到着地:宮城県石巻市
走行距離:2km
累計走行距離:982km
天気:大雨
🔋今日を終えてのHP
★★★★★★★☆☆☆
7/10
✨今日のハイライト
贅沢な夕食
💰今日の支出
合計 ¥7,110
▶︎食費 ¥110
▶︎宿泊 ¥7,000
—————————
累計支出 ¥129,024
💬今日のコメント
変な夢を見た。内容は覚えていない。
夏目漱石のような冒頭で今日はスタートする。今日は大雨のため、1日前に宿泊した「桜や旅館」へ電話をかけた。
「おはようございます! 昨日宿泊させていただいた〇〇です! 本日出戻りしたいんですけど、、」
事情を話し、また今日も泊まらせていただきたいと伝えると、女将さんはクスクスと笑いながら使っていない部屋を用意しておくよと言ってくれた。10時チェックアウト、10時10分「桜や旅館」にチェックイン。
今回は特別に、早めにチェックインさせていただけることになった。
「お帰りなさい、今日はゆっくり休んでいきなね!」
そのお言葉に甘え、トゥルースリーパーのマットレスが敷かれたベットで休ませてもらった。
お昼ごろ、
「お腹空いたでしょ」
そういって、ラーメンを届けてくれた女将さん。

「こんな幸せなことがあっていいのか」
そう思いながら、美味しいラーメンをすすった。その後、夕食まで爆睡。6時間は寝ていたと思う。
夕食を食べに食堂へ向かうと、なんとも豪華な夕食が机いっぱいに並べられていた。

これまで宿泊した宿のご飯で、一番美味しかった。大好きな家族と友人にも紹介したくらいに素敵な宿だった。
以前宿泊していた女性は、新幹線が止まってしまい連泊されていたそうで、今回またお会い出来たのも何かのご縁だったのだと思った。
自分の居場所となる場所をこうして一つずつ見つけていくことで、選択肢が生まれたり心が明るくなったりするのだなと、この旅を通して感じた。
優雅なお風呂時間を堪能し、寝床につく。野宿も経験としてはいいけど、やっぱり宿は安心だな。そしてきちんと休息が取れるから最高だな。
当たり前なことを真面目に言っている自分に少し恥ずかしくなったが、当たり前のことほど意外と気付けないものなのだなと思った30日目だった。
【31日目】気仙沼へ
📝旅カルテ
出発地:宮城県石巻市
到着地:宮城県気仙沼市
走行距離:101km
累計走行距離:1,083km
天気:曇りのち雨
🔋今日を終えてのHP
★★★★★☆☆☆☆☆
5/10
✨今日のハイライト
津波伝承館
💰今日の支出
合計 ¥6,120
▶︎食費 ¥120
▶︎宿泊 ¥6,000
——————————
累計支出 ¥135,144
💬今日のコメント
朝食が楽しみで早く起きた。
私が泊まっている「桜や旅館」の朝食は、実は2日前もいただいたのだが、これを食べに戻ってきたと言っても過言ではない。
品数が多く、どれもこれも美味しいのでお腹いっぱいになるまで食べてしまう。それなにの不思議と全く胃もたれせず、一つひとつのお料理に丁寧な味付けが施されており、こんなに美味しいご飯が2食付きで「1泊7,000円」というのは、とても信じられない。

一口一口を噛み締め、綺麗に完食した。部屋に戻りチェックアウトの準備を始めると、女将さんが昼食にとおいなりさんとお菓子を袋に包んで渡してくれた。
今日の目的は、気仙沼市にあるゲストハウス。今いる場所からは大体2時間。
女将さんと話す中で、この近くの人は東日本震災時に、みんな「日和山」という山に逃げて助かった。と聞いたことから、その山に行ってみることにした。

日和山から見える景色は、なんだか新しい景色に見えた。建物、構造物、生えている木々、そのすべてが15年前の震災以降に生まれ変わったものだった。
日和山から建物を眺めていると、ポツンと建てられている建物を見つけた。
「みやぎ東日本大震災津波伝承館」
Googleマップでは、この建物の屋根の高さまで津波が来たのだと口コミで書かれていた。
興味が湧いたので、バイクを走らせその場所へ行ってみる。校外学習の観光バスが3台停まっており、伝承館の中は小学生・中学生・高校生の団体で溢れかえっていた。
スタッフさんにシアタールームを案内してもらい、15分間のドキュメンタリーをみた。
当時の生々しい映像。
被災者の生の声。
「家族を守れなかった。」
その言葉が、今でも頭から離れない。宮城県に来て大震災のお話を聞いた際、驚いたことがある。
それは当時、「地震=津波が来る」という認識をしている人が少なかったということだ。
東日本大震災を経験した人が多くなった今では、「地震が来たら津波が来るかもしれない。だから逃げなければならない。」という意識を持つ人も増えた。
しかし、それまでは地震への備えや、地震が起きたときにどう自分の身を守るかという「地震そのもの」に焦点を当てた防災意識が中心だったのではないかと思った。
夜は、「架け橋」というゲストハウスへ行き、防災について学んでいる大学生たちと震災について語り合った。
「正直心のどこかで、他人事だと思ってしまう自分がいる。」
みんな同じ意見だった。
それでも震災について知ろうと、実際に震災が起きた場所へ足を運んだり、「防災ゲーム」という防災意識を高めるゲームを開発したり、震災が起きたという事実から目を背けずに真っ正面から向き合おうとしている大学生たちの姿を見て、強く感銘を受けた。
今日はいろんなことが頭の中で巡り、少し疲れてしまった。脳みそを休ませるために、いつもより早めに眠ることにした。
【32日目】ジャーナリング
📝旅カルテ
出発地:宮城県気仙沼市
到着地:宮城県気仙沼市
走行距離:30km
累計走行距離:1,113km
天気:曇り時々雨
🔋今日を終えてのHP
★★★★★★☆☆☆☆
6/10
✨今日のハイライト
ひとり時間を確保
💰今日の支出
合計 ¥1,593
▶︎食費 ¥1,593
———————————
累計支出 ¥136,737
💬今日のコメント
10時30分、チェックアウト。
この時間までいられる宿は珍しい。
このゲストハウスは基本的に素泊まりプランはなく、宿泊者みんなで机を囲み夕食を食べるプランのみ。料金は6,000円。
タイミングよく4人部屋ドミトリーに1人で宿泊することができたのだが、夜遅くまで話し声が聞こえたり、人が通るたびに廊下の灯りがつき眩しかったり、なんだか大家族の自宅に泊めてもらっているような感覚で、落ち着いて過ごせるような場所ではなかった。
ゲストハウスを出て向かった先は「道の駅 大谷海岸」。この場所は、『すずめの戸締り』という映画の舞台になった場所でもある。インフォメーションのところには新海誠監督のサインが置かれ、RADWIMPSの主題歌も流れていた。
クレープと牛乳を購入し、テーブルで少し休憩。

やるべき作業を終え、道の駅の向かい側にある大谷海岸へ向かった。階段に座り海の音を聞きながら、1週間ぶりのジャーナリング。
ジャーナリングとは、別名「書く瞑想」と呼ばれており、頭の中に浮かんだ感情や思考を紙に書き、心を整理することである。紙にありのままの自分を書き出すことにより、頭の中が整理され、心がスッキリするので気が向いたときに行うようにしている。
雨が降ってきたので、ビジネスホテルを予約し、今日は「ひとり時間」を大切にする日とした。
【33日目】初のライダーハウス
📝旅カルテ
出発地:宮城県気仙沼市
到着地:宮城県気仙沼市
走行距離:20km
累計走行距離:1,133km
天気:晴れ
🔋今日を終えてのHP
★★★★★★☆☆☆☆
6/10
✨今日のハイライト
きものの工房見学
💰今日の支出
合計 ¥6,450
▶︎食費 ¥1,450
▶︎宿泊 ¥5,000
——————————
累計支出 ¥143,187
💬今日のコメント
7時起床。
胃痛がしたため、朝食をパスしチェックアウトの時間まで寝ることにした。
今日はどこへ行こう。
右へ行こうが左へ行こうが、誰かに何か言われることもない。
「こんな自由な生活はいつまで続けられるかな、いつか自由が嫌になる日が来るのかな」
そんなことを考えたながら、マクドナルドへ向かった。
気づけば居場所はマクドナルド。雨の日の駆け込み寺である。車なら、コンビニや道の駅に停車して車内で休憩ができるのだが、バイクだとそうもいかない。マックでキャラメルマキアートを飲みながら、作業を進めた。
その後、石巻市で出会った方の紹介で、気仙沼市にある「たかはしきもの工房」へと向かった。工房長の方にきもの工房内を案内していただき、着物が出来上がるまでの工程を見学させてもらった。
たくさんのミシンが並ぶ作業台で布を縫い合わせる職人さん。重ねた布を裁断する職人さん。一つひとつ丁寧に手作業で作り上げられる「たかはしきもの」は、問屋さんを介さず直接販売しているため、ブランドとしての知名度も高まり、海外からのお客さんも多いとのこと。
着物文化は人気があるとはいえ、日常に取り入れるのはなかなかハードルが高いものだと感じた。最後に、代表や案内してくださった方々にお礼を伝え、無性に食べたくなったすき家へ向かった。

マグロユッケ丼を注文し、動画編集をしつつ、今日泊まる宿を予約した。
15時30分、「ライダーハウス 虹色のカエル」に到着。素泊まり3,500円、夕食のホルモン定食1,200円、シール300円の計5,000円を支払い夕食の時間まで寝ることにした。
19時夕食。

このホルモン定食が食べたくてリピートする人がいるそうだが、確かに美味しい。ご飯だけでなく、千切りキャベツにウスターソースをかけて食べるのもまた美味しい。
22時ごろまで、過去にどんなライダーさんが宿泊していたのかや、おすすめのライダーハウス紹介、震災のこと、息子さんらと恋バナをし22時消灯。
熟睡。
【34日目】宮城県 唐桑半島
📝旅カルテ
出発地:宮城県気仙沼市
到着地:宮城県気仙沼市
走行距離:20km
累計走行距離:1,153km
天気:晴れ
🔋今日を終えてのHP
★★★★★★★☆☆☆
7/10
✨今日のハイライト
唐桑御殿つなかん
💰今日の支出
合計 ¥13,700
▶︎食費 ¥1,700
▶︎宿泊 ¥12,000
—————————
累計支出 ¥156,887
💬今日のコメント
朝、ライダーハウスの女将さんがアイスコーヒーを淹れてくれた。
ここのチェックアウト時間は、ご主人の仕事の都合で8時30分と少し早いのだが、今日はお仕事がお休みのため11時までいさせてもらえることに。
忘れ物がないか3回確認し、ガレージの前で記念写真を撮った。

素敵なおもてなしを、ありがとうございました!
今日は唐桑半島の宿を予約してあるため、チェックインの時間まで岩手県にある「奇跡の一本松」を見に行くことにした。
バイクを走らせること40分、目的地に到着。

「奇跡の一本松」
2011年3月11日に発生した東日本大震災。津波により多くの建物が流された中、津波に流されず耐え抜き、復興のシンボルとして全国に知れ渡った。
震災の翌年に枯死状態となり、現在はモニュメントとして保存・復元されている。
奇跡の一本松の裏側には、震災当時の「陸前高田ユースホステル」が保存されていた。奇跡の一本松は、このユースホステルのおかげで津波の直撃を免れ、倒れることなく残ったと言われている。
これまで様々な伝承館、当時の状態を残す建造物、地元の方からお話を伺ったりする中で、生々しくも悲惨な現実を目と耳で感じてきた。
心の中でいろんな思いが駆け巡り、心がズーンと落ちてしまったが、1番大切なことは危ない状況に立ち向かわず「逃げる」こと。そのために「逃げる」という選択肢を持っておくことが命を守ることに繋がると思った。
その後、近くの「東日本大震災津波伝承館」に立ち寄った。何点かの展示を見た後、震災当時の映像が流れるシアタールームに入った。
その後の記憶はあまり覚えていない。号泣のあまり急いで施設を飛び出し、気持ちが落ち着くまでしばらくベンチに座っていた。
漂う海の匂いが怖く感じた。
15時10分、「唐桑御殿つなかん」へ到着。泣き疲れて眠気に襲われ、目を擦りながら入り口へ向かうと「こんにちは!」と明るく女将さんが出迎えてくれた。
この民宿は、気仙沼市にあるファミリーマートで休憩をしてた際、地元の方が「ここの女将さん、本当に素敵な方だから一回会ってみてほしい」とおすすめしてもらった場所。
宿泊者シートを記入しながら、女将さんと民宿のことや旅のことなどいろんなお話をさせてもらった。可愛らしい笑顔と愛嬌たっぷりの女将さん。梅昆布茶やお茶菓子を出してくださったり、洗濯乾燥機を無料で貸してもらえることに。
「今お風呂沸かしてくるからね!」と言い、気持ちのいい一番風呂をいただいた。
夕食の時間になり、宿泊者全員が食堂に集まる。千葉県から来た4人のご家族、埼玉県から来た2人のサラリーマン、東京から来た職なし家なし彼氏なしの私。
合計3組で楽しくお話をしながら、最高に贅沢な夕食をいただいた。

女将さんの弟さんが漁師をされており、新鮮なマグロや牡蠣が食卓に並び、私たちの心を奪っていった。食事を終えると、子ども達と一緒に遊んだり、大人同士で仕事の話をしたり、みんなで星空を見にいったり。
子ども達が眠りについた後は、気仙沼の地酒「水鳥記」を酌み交わしながら語り合い、最高の時間を堪能した。
この宿に泊まることができて、本当に良かった。
心からそう思った1日となった。
【35日目】岩手県に入り
📝旅カルテ
出発地:宮城県気仙沼市
到着地:岩手県釜石市
走行距離:85km
累計走行距離:1,238km
天気:晴れ
🔋今日を終えてのHP
★★★★★★★☆☆☆
7/10
✨今日のハイライト
一泊2,500円のライダーハウス
💰今日の支出
合計 ¥4,232
▶︎食費 ¥2,032
▶︎宿泊 ¥2,500
——————————
累計支出 ¥161,419
💬今日のコメント
8時起床。1泊夕食付きプランを予約した私であったが、女将さんからの応援の気持ちということで朝食をご馳走していただくことになった。

宿泊者のみんなで、女将さんとスタッフさんが作った温かい朝食をいただいた。
朝から幸せいっぱいお腹いっぱい。埼玉から来ていた宿泊者の方々から、サウナに誘っていただきご一緒させていただくことになった。
正直サウナは苦手。あんなに蒸された身体を冷水に浸けるだなんて、心臓がびっくりしてそのまま「あの世」へ連れていかれそうな気がするからだ。
「サウナで整う」という感覚は、一生私にはわからないであろうと思いながらも、せっかくの機会なのでサウナというものをちゃんと味わってみることにした。

なんということでしょう。
/
気持ち良すぎる!
\
これまでサウナは髪の毛を乾かす場所として利用していたのだが、じっくり蒸した身体を一気に冷水で冷やすことによりスッキリとした感覚に陥った。その後、唐桑半島の心地よい風に包まれ、頭の中がスーっと静かになっていった。
3セット終えた私は、「全能感」に満ち溢れ、思わず叫びたかなるような気持ちを抑えながら、カレーを作るために宿へと戻った。
宿へ戻ると先にカレー作りを始めていた方に、
「ゆっくりしてていいよ!」
と言っていただき、カレーにおまじないをかけたあと洋服を乾燥機にかけ、のんびりと過ごした。
しばらくすると絶品カレーが登場。

これまでで食べたスパイスカレーの中で、いっちばんに美味しかった。本当に美味しかった。あと30杯は食べることができたであろう。
この冒険を通して、「幸せ」と感じる瞬間がどういうときかがわかってきた。
顔が見える人から、損得を一切考えず溢れるほどの温かいおもてなしを受けたときに、「幸せだな」と感じるのだと思った。今は受ける側の私でも、この経験から今度は手を差し伸べる側になりたいと思った。本気で思った。
女将さんや、サウナをご一緒させてもらった方々、そして一緒に遊んでくれたご家族との別れが寂しく感じた。
だが同時に、ここで出逢ったみなさんから背中を強く押してもらった感覚もあり、この思い出を胸に、唐桑半島での時間を最高の形で締めくくった。
本日の宿は岩手県釜石市にある「ライダーハウスYADOO」。到着すると、オーナーの息子さんが出迎えてくれた。
温かいお風呂まで用意してくださり、身体も心もさっぱりしたところで、ひと眠りすることに。やることを残していたため、23時にアラームをセットし爆睡。
アラームが鳴り目を覚まし、オーナーさんの元へご挨拶しに行くとお好み焼き・たこ焼き・ジュースを「カンパ」として差し入れてくださった。
お腹いっぱい食べさせてもらった後、残っていた作業を行い再び眠りにつく。
「幸せだな」と思う瞬間が、今日1日で何度も訪れた。
このままでは何か嫌なことが起こるのではないかと心配だが、「心配事の9割は起きない」という言葉を信じて明日も行く。
【36日目】ライダーハウスに連泊
📝旅カルテ
岩手県釜石市滞在
走行距離:14km
累計走行距離:1,252km
天気:晴れ
🔋今日を終えてのHP
★★★★★★★☆☆☆
7/10
✨今日のハイライト
オーナーさんからのおもてなし
💰今日の支出
合計 ¥3,413
▶︎食費 ¥473
▶︎雑費 ¥440
▶︎宿泊 ¥2,500
—————————
累計支出 ¥164,832
💬今日のコメント
今日一日中、休息を取ることにした。
理由は2つ。
①疲れが出てきて心の余白が埋まってきた。
②宿泊費が一泊2,500円と安い。
このライダーハウスは食事提供はないのだが、今回特別に朝食を用意してくださった。

日本の朝食は、健康的かつバランスが良くて本当に好きだ。朝からこんな健康食をたらふく食べることができて、とても幸せだった。
今日は疲れを取るため、ひたすら寝ることにした。
15時、再び目を覚ます。2日に1回、17時に動画をアップしているため、間に合うように動画制作を進める。
一通り作業を終えた後、近くのイオンへ向かった。
お腹もいっぱいで、欲しいものも特にない。だがせっかくいろんなものが販売している場所に来たからと、ウィンドウショッピングを楽しんだ後、ミスタードーナツへ入ることにした。

令和のこの時代、ポン・デ・リングは一個176円。物価高をドーナツで感じたが、何個も買うわけではないのでよしとした。
ここでも動画を作り、webマガジンの原稿を書いた。雨が降ってきそうだったので宿へ戻ると、ワンちゃんがお出迎えをしてくれた。

「コロン」という名前のこちらのワンちゃん、犬は大嫌いだが人間は大好きとのことでとっても人懐っこくとっても可愛かった。
帰ってきたら動物がおうちで待ってくれているという生活は、とても羨ましい。いつかどこかに定住することになり、経済的な余裕が生まれ、最後まで生き物を飼う責任を持つ覚悟ができたら、家族として迎え入れたいなと思った。
そんなこんなで1日が終了した。
明日は雨。どんな予定にしようかな。
【37日目】岩手県岩泉町
📝旅カルテ
出発地:岩手県釜石市
到着地:岩手県下閉伊郡岩泉町
走行距離:140km
累計走行距離:1,392km
天気:雨
🔋今日を終えてのHP
★★★★★☆☆☆☆☆
5/10
✨今日のハイライト
香り漂う龍泉洞
💰今日の支出
合計 ¥7,850
▶︎食費 ¥450
▶︎宿泊 ¥6,000
▶︎雑費 ¥300
▶︎観光費 ¥1,100
——————————
累計支出 ¥172,682
💬今日のコメント
今日は早く起きたので、動画編集作業を進めた。8時30分、オーナーさんが朝食を持ってきてくれた。

朝から手作りのご飯は、心が温まる。たが、この量は食べきれないので麻婆豆腐を半分持参していたタッパーに詰め、お昼に食べることにした。
「今日も泊まっていけばいいじゃん、雨だし危ないよ」
心配半分、少し寂しそうなオーナーさん。私もできることなら、居心地の良いこの宿にしばらく滞在したいところだ。
だが、この先も雨予報のため出るタイミングを逃してしまうと北海道まで行くことができない。寂しい気持ちを抑え、オーナーさんとわんちゃんとお別れをした。
今日は岩手県岩泉町へ行き、「龍泉洞」を見に行くことにした。途中、道の駅でラムネソフトを食べながら少し休憩を挟む。

私はラムネソフトが大好きだ。ミルクソフト濃厚すぎず、さっぱりすぎず、この塩梅がたまらなく美味しいからだ。
120kmほどバイクを走らせ、「龍泉洞」に到着。雨の中の長距離走行は、体力が持ってかれる。北海道は雪のことも考え、1ヶ月弱で一周する計画のため、長距離走行を慣らしておかねばならない。
1,100円の入場料を支払い、いざ中へ。
日本三大鍾乳洞の一つである「龍泉洞」。ヨーグルトが有名な岩手県下閉伊郡岩泉町に位置し、澄んだ深い地底湖が美しい青にライトアップされ神秘的な光景だった。
鍾乳洞の中は気温は10℃と、防寒着がないと厳しい寒さ。前を歩いていたご夫婦から漂う柔軟剤の香りが、本当にいい匂いで、それに釣られるように洞窟内を進んでいった。私も香水ではなく、「柔軟剤漂ういいオンナ」になりないなと、そのとき思った。
お土産屋さん、岩泉のシールを購入し宿へと向かった。
本日の宿は「民宿 新田」。夕食付きプランで一泊6,000円。
チェックイン後、お風呂を入れていただき夕食前にゆっくりと温まることにした。
18時30分、待ちに待った夕食。

畑で採れたてのお野菜と、油がのったホッケ、お刺身におでんなど、なんとも豪華な夕食である。お料理を作った人の顔がわかると、その人の温かさまで味わいながらお食事をいただくことができるので「顔が見えること」の大切さを実感した。
夜は、日用品の詰め替え作業を行なった。ジェスタイプのスキンケア用品は、コンタクトケースに入れるとコンパクトになりとても便利。
そんなこんなで37日目終了。
*泊まるの宿の暖かさとご飯のおいしさに心が温まるめるっち。次回はさらに北上し、ついに北海道へ。
めるっち
大学卒業後、2年間教育機関勤務。「もし80歳までしか生きられないとしたら、残された時間はあと55年しかない」。そう考え、安定した日常生活を離れ大きな一歩を踏み出すことに。そして今、バイクで日本一周の冒険の旅へ。
インスタ:booo.oooken
『今日の駒沢』編集部
駒沢エリアの情報を発信するウェブマガジンの編集部です。駒沢大学駅に隣接した商業ビルの運営・施設管理・テナントへの賃貸業務を26年、株式会社イマックスが、駒沢エリアに住む人、働く人、活動する人…とたくさんの市民の方々と一緒に運営しています。「駒沢こもれびプロジェクト」を通じて、駒沢エリアに関わるすべての方々に役立つ情報を発信しています。
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