NEIGHBORS BREAD by STANDARD BAKERS|駒沢に寄り添うパン屋が描く“隣人”のような関係【前編】<テナントインタビューその⑤>

その場所に“賑わい”“活気”“エネルギー”を生み出すことを目指す、「NEIGHBORS BREAD by STANDARD BAKERS(ネイバーズ ブレッド バイ スタンダード ベイカーズ)」。ブランドの「NEIGHBORS」(日本語訳は近所の、隣り合う)の名の通り、地域と地元の人々に寄り添う、日常使いのベーカリーです。

自家製の天然酵母に、北海道産の小麦粉や牛乳、発酵バター。どのパンにも厳選された材料が使用され、さらに駒沢ならではの素材を取り入れた限定パンも登場予定。複数店舗を展開しながらも「その地域と人のためであること」を大切にしています。

今回は駒沢大学駅前の商業施設に出店する「NEIGHBORS BREAD」の小林亮太さん、製造責任者の伊藤海斗さんに、パンや店舗サービスへのこだわりを伺いました。

左:伊藤海斗さん 右:小林亮太さん

こだわりのオーバーナイト法と2種の天然酵母

店内にはたくさんのおいしそうなパンが並んでいて、香ばしい小麦の香りもします。駒沢店にはどのくらいの種類のパンが並ぶ予定でしょうか。

【小林】焼菓子含め35-40種の品揃えをご用意したいと思っています。店内のイートインスペースはカウンターに7席の予定です。テイクアウトは、ご家庭はもちろん、駒沢公園での散歩など、さまざまなシーンで楽しんでもらいたいと考えています。

厳選された国産素材と添加物を使用しない天然酵母を使ったクラフトベーカリーと伺ったのですが、製法にはどのようなこだわりがありますか。

【伊藤】それぞれのパンに合った製法でつくりあげることで、素材のポテンシャルを引き出すようにしています。

例えばどんな製法があるのですか。

【伊藤】そうですね。オーバーナイト法という製法で、生地を前日に仕込んで低温で寝かせて発酵させ、翌日に焼きあげます。そうすることで小麦粉と水がひとつになって、より小麦本来の香りや甘みが増します。定番商品の「ベイカーズバゲット」「キタノカオリコンプレ」はその製法でつくっています。

「これもこだわっています」というものがあれば教えてください。

【伊藤】天然酵母ですね。香りや食感、保存性に違いが出る2種類を主に使用しています。1つ目は小麦粉を種としてつくる酵母の「ルヴァンリキッド」、2つ目はレーズンを元種としてつくる「レーズン酵母」です。定番商品の「カンパーニュ」や「ベイカーズブレッド」でお楽しみいただけます。

北海道の小麦や牛乳など、国産の素材を使用しているとのことですが、その理由を教えてください。

【伊藤】私たちやお客さまに食べ馴染みのある味ということもありますが、地域貢献の側面も大きいですね。北海道の穀物商「山本忠信商店」さんの小麦や栃木県のブランド卵の御養卵を使うことによって、国産食材の流通量を増やして、地方の「床」の価値を上げていきたいと考えています。

北海道の小麦はパンづくりとの相性はいいのでしょうか。

【小林】国産の小麦はもともと、うどんやすいとん用につくられていました。ずっとパンのためにつくられてきたわけではないのですが、うちではクオリティの高い小麦を使っていることに加え、パン職人さんたちの技術で、モチモチっとした保水性の高いパンに仕上げています。日々、職人さんたちがパンに合った製法を追求していて、同僚ながら感動しています。

保水性の高いモチモチ感やしっとりした食感を生み出すために大切なのはどの工程なのでしょうか。

【伊藤】まずは、粉に水を合わせて生地を仕込む工程ですね。水の温度や量、こねる時間がポイントです。その日の気温や湿度でも、分量や時間を調整します。あとは力加減が重要となる、成形する段階ですね。

パンづくりの作業はルーティンのようでルーティンではないのですね。

【伊藤】そうなんです。日々同じことをやっていては同じ商品にはならないんです。

駒沢に根ざした「NEIGHBORS」を目指して

駒沢への出店を通じて、地域のみなさんとどのような関係を築いていきたいですか。

【小林】パンや接客を楽しみに気軽に立ち寄れる、まさに「隣人」のような関係が理想ですね。接客面では、食べるよりも先にパンの味を想像できるようにするのが私たちの仕事だと思っています。おうちでどんな風に食べてくださるのか、パンを買ってくれたお客さまのその先の生活を思い浮かべながら、丁寧に接していきたいです。

小林さんの接客の様子を拝見していると、お客さまから信頼されていることを感じますが、どのような思いで接客されていますか。

【小林】僕はもともと書店員で、そのあとは長くスターバックスコーヒーで働いていました。ベーカリーでの経験はまだまだ浅いんです。でも人と人とが繋がる「お店」が好きで、ずっとお客さまに対して正直でいたいという接客のポリシーは変えていません。そして何より、職人さんたちが試行錯誤してつくる「NEIGHBORS BREAD」のおいしいパンに熱い思いがあるので、それをお伝えしていますね。そうだ、発掘調査のアルバイトの経験もあります。

お客さんがパンを買ったその先の笑顔を想像する伊藤さんと小林さん。その二人が働くNEIGHBORS BREADが大切にしている“地域の床価値を高める”取り組みとは。明日の後編に続きます!

撮影をおこなったNEIGHBORS BREAD 流山おおたかの森S・C店

〒270-0139千葉県流山市おおたかの森南1-5-1 流山おおたかの森S・C 本館1階

 

営業時間:10:00-21:00 (LO 20:30)

text / shino iisaku photo / eriko matsumoto

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