屋上でコンポストは作れる?駒沢「こもれびコンポスト部」半年の記録【見学体験情報も!】

ご近所

落ち葉も、コーヒーかすも、役目を終えた土も。人の手と微生物の力を借りて、もう一度、命を育む土へ。駒沢パーククォーターの屋上で始まった「こもれびコンポスト部」の活動では、都市の屋上という難しい環境で、約半年かけてコンポストづくりに取り組んできました。材料集めから試行錯誤を重ね、9月にはついにコンポスト第一号が完成! その取り組みを振り返りながら、都市型コンポストの可能性をご紹介します。

都会の屋上で土を育てる|駒沢パーククォーター「こもれびコンポスト部」とは

駒沢パーククォーターでは、自然や生き物との共生を大切にした、環境にも人にもやさしい商業施設づくりに取り組んでいます。その一環として始まったのが、「こもれびコンポスト部」です。

コンポストとは、落ち葉や生ごみなどの有機物を微生物の力で分解し、堆肥にする仕組みのこと。駒沢パーククォーターでは、施設の植栽から出る落ち葉や枯れ枝などを集め、堆肥にして再び植物を育てるために活用しています。

活動の舞台は、こもれびプロジェクトが活動する建物の屋上です。

実は都市の、それも屋上でコンポストをつくることは至難の技。堆肥づくりの要となるのは、水分のコントロールです。地面とつながり、自然に水分が保たれる土の上とは違い、コンクリートに覆われた屋上は、微生物が働くための環境を整えるのもひと苦労です。そこには、自然の力を借りることができない、都市ならではの大きな壁が立ちはだかっていました。

それでも、街の中で資源を循環させたい。そんな思いから始まった、屋上でのコンポストづくり。約半年間、駒沢の人たちと一緒に材料の集め方や混ぜ方を工夫しながら、堆肥づくりに取り組んできました。

材料と仕組み|身近な資源を微生物の力でリサイクル

コンポストの材料は、駒沢パーククォーターの中や、地域のお店から集めています。

施設の植栽の手入れで出る花びらや落ち葉、剪定した枝。ビオトープに生えた藻も、コンポストの材料として活用しました。枝は細かく砕き、ほかの材料と混ぜ合わせていきます。

駒沢パーククォーターのビオトープに生えた藻も、コンポストの材料に。

さらに、駒沢パーククォーター内の「WOODBERRY COFFEE」からは、コーヒーを抽出したあとのコーヒーグラウンズ(コーヒーかす)を提供してもらっています。毎日のように生まれるコーヒーグラウンズも、土を育てるための大切な資源です。

そして、ご近所の「おひつ屋 田んぼ」では、米ぬかを提供してくれています。コーヒーグラウンズと米ぬかは、コンポストに入れるボカシ(有機肥料を微生物で発酵させ、効果を穏やかにした発酵肥料)の材料として活用していきます。

お店の屋上で毎年実施される『東京田んぼアート』の田植えにも参加させてもらいました。

さらに、地域の人たちから譲り受けた腐葉土なども活用。お店や施設から出るものを集め、本来はゴミとして捨てられてしまう資源を再利用しながら、堆肥を育てていきました。

もちろん、材料を入れればすぐに堆肥ができるわけではありません。微生物が働きやすい状態を保つためには、材料の組み合わせや水分量に気を配り、様子を見ながら手を入れていく必要があります。

都市の屋上という条件のなかで、どうすればうまく堆肥をつくれるのか。時には青カビが生えるハプニングもありましたが、実際に手を動かしながら試行錯誤を重ねてきました。

半年間の試行錯誤と第一号コンポストの完成

暑い夏の日も、みんなで手を動かしながら育ててきた堆肥。そうして迎えた9月、ついにコンポスト第一号が完成しました!

コンポスト第一号が完成!

地面に繋がっていなくても、屋上でも、ちゃんと堆肥はつくれる。半年間かけて、その証明ができました。こもれびコンポスト部では、第二号、第三号のコンポストもつくっている途中です。

そして10月からは、これまで「(仮)」がついていたこもれびコンポスト部が本格始動。半年間の実験を経て、次の一歩を踏み出します。

九州から視察に! 駒沢の屋上で生まれた、コミュニティの力

9月のはじめには、こもれびコンポスト部に北九州コンポスト部の光井さんが、視察に訪れました。

北九州コンポスト部でも、ビルを拠点にコンポストやガーデンの活動に取り組んでいます。一方で、施設のセキュリティ対策や、一部のメンバーに作業が集中してしまうことなど、運営上の課題もあるそうです。

ガーデンの水やりを効率化のために自動灌水設備を導入したものの、機械の故障で植物が枯れてしまったことも。活動するための場所や設備があっても、それを地域のコミュニティとして実践していくには、さまざまな課題が立ちはだかります。そこで、運営のヒントを求めて、駒沢まで足を運んでくれました。

北九州コンポスト部のみなさん

こもれびコンポスト部では、施設内の植栽から出る落ち葉や枝葉に加え、WOODBERRY COFFEEのコーヒーグラウンズや、地域のお店から提供してもらう米ぬかなどを活用しています。

土づくりには決して恵まれているとはいえない屋上で、地域から集めた材料を使って堆肥を完成させたことに、光井さんも感激してくれたそうです。

視察後、北九州コンポスト部ではさっそく近隣の飲食店からコーヒーグラウンズを提供してもらうことになったのだとか。さらに、堆肥をかき混ぜるための道具「コンポストターナー」にも興味を持ち、導入されたそうです。

駒沢の屋上で続けてきた試行錯誤が、遠く離れた地域の新しい取り組みにつながっていく。コンポストづくりの方法や道具だけでなく、実際に活動している場所を見てもらうことで、伝わることもあるのだと感じます。

都市の中でコンポストを始めてみたい。すでに活動しているけれど、運営方法や材料の集め方に悩んでいる。そんな方にとっても、実際の現場を見ることは、新しいヒントを得るきっかけになるかもしれません。

実物を見てみませんか?「こもれびコンポスト部」の屋上見学・視察案内

こもれびコンポスト部では、都市の屋上でどのように堆肥をつくっているのか、どんな材料を使い、どのように管理しているのか、実際の活動を見学していただけます。

コンポストに興味がある方はもちろん、これから自分の街で取り組んでみたい方、すでに活動していて情報交換をしたい方も大歓迎です。

「ビルの屋上でも、本当に堆肥がつくれるの?」「どんな材料を使っているの?」「活動を続けるために、どんな工夫をしているの?」

そんな疑問を持っている方は、ぜひ一度、駒沢の屋上を訪れてみてください。

実際に見て、話して、一緒に考える。都市の中で資源を循環させるためのヒントが、見つかるかもしれません。

ご興味のある方は、「今日の駒沢」までご連絡ください。
todaykoma@comorevi.com

『今日の駒沢』編集部

駒沢エリアの情報を発信するウェブマガジンの編集部です。駒沢大学駅に隣接した商業ビルの運営・施設管理・テナントへの賃貸業務を26年、株式会社イマックスが、駒沢エリアに住む人、働く人、活動する人…とたくさんの市民の方々と一緒に運営しています。「駒沢こもれびプロジェクト」を通じて、駒沢エリアに関わるすべての方々に役立つ情報を発信しています。