「神代文字」読める大人いますか? ー 子どもたちの「わが道」【wonderful! コマエリキッズ】ー Hくんの場合ー

ふだんは駒沢公園に友だちと自転車で行き、サッカーや鬼ごっこをしているという深沢在住のHALくん(現小6)。小学2年生のころの音読カード(学校の宿題)には、????の文字がいっぱい。これは一体なんですか? 

<コマエリキッズとは=駒沢エリアの子どもたちの“今”を紹介>

ゲーム、お受験、スマホ、習い事……。いまどきの都会の子は、、、なんて思っている人もいるのではーー。でもでも、それってホント? われらが駒沢エリアの子どもたち、ちゃんとわが道もすすんでいます。ゲームも、YouTubeも、マンガも、友だちともわちゃわちゃしているけれど、こんな一面だってあるんです。そんな、駒沢エリアの子どもたちの「わが道」を、「こもマガ」では応援し、伝えていきます!

コロナ禍、ヒマすぎた! 駒沢の小学生

ーーこの音読カードに書かれているのは文字? 暗号? ちょっと教えてくれませんか?

HAL 多分「神代文字(じんだいもじ)(かみよもじ)」とか「古代文字」と言われているものです。

ーーなぜ、これを書こうと思ったのですか?

HAL 小2のころ、コロナで学校が休校になっていて、本当に毎日がヒマで。長野に住んでいるおばあちゃんが、こういうのが好きで教えてくれて、おもしろそうだから、ぼくも書けたらいいなと思って覚えました。

ーーすぐに覚えられた?

HAL 見本を見ながら書いていたら、すぐに覚えられました。書いているうちに自分しかわからない暗号みたいで楽しくなって、学校のプリントとか、名前とか、時間割とか、ぜんぶこれで書いていました。書けるようになると楽しいし、楽しいからスラスラかけるようになった。50音で、法則があるからすぐに覚えました。

神代文字は、誰も知らないブルーオーシャン

ーーほかの人は読めなくて困っていなかった?

HAL 多分、困っていたと思います。学校の先生に「読める字で書きましょう」と、注意って感じではないだけれど、言われたことはあったかな。あと、野菜を送ってくれた静岡の知り合いに、お礼のハガキ(親に頼まれたのもあって)を神代文字だけで書いたら、「これだともらった人が困っちゃうからひらがなでも書いて」と(お母さんに)言われたので、同じ内容だけど、ひらがなでも追加で書きました。小2だったから許してってかんじだけど、まあ、大人も、友だちも、先生も読めないから(笑)。

何かの役に立つとか、そういうことはないけれど

ーー続けられたのには何か理由があったのかな?

HAL よく覚えていないけれどーー、漢字を書くより早かったし、楽だったというのもあります。テンテンとか(濁点)がないので、勝手に、「 ゛」をつけたりもしているから、本当はちがうところもあると思うけれど、ほとんどだれも読めないし、ぼくしか知らないから、そこは大丈夫だった


<実は、、母談>学校の先生からのコメントがあったときはコロナ禍で、担任の先生とも会ったことがなかったので、話ができる良いタイミングかなと思い「興味を持っているのでこのまま書かせてやってほしい」と話に行きました。コロナ禍、新卒、初めてのクラス担任! で、先生も子どものことがわからない時期だったようで、様子が聞けてよかったと言ってくださいました。「みんなと同じがいい、目立つのは嫌」というタイプの息子がはじめたことなので、飽きるまでいっしょに見守ってほしいということを伝えました。その後は先生ともコミュニケーションがとれて、親子共にいいきっかけとなりました。本人とは必要なとき(提出物など)はふりがなをふること、テストなどでは使わないようにしようと話しました。

ーー今は書かないの?

HAL 頼まれたり、気が向いたときだけかな。毎年4月のクラス替えの後、先生の名前を書いて「なんて書いてあるでしょうか?」といってメモ紙を渡したりするくらい。ほとんど(今のところ全員)の先生がギブアップです。

それほどの難易度ではないので、特別なこととは思わないけれど、ほかの人には書けない文字が自分には書けるというのがうれしいなとは感じています。ときどき書かないとすぐ忘れちゃうから、思い出さないともったいないかなとも思います。ぼくは学校で、発言とかはあまりするほうじゃないけれど、ノートを書くのが好きだから、きれいに書けるとうれしいし、神代文字も自分としては(ネタにもなるので)ときどき書いていきたいと思います。

<終わりに・母談>この話には、なんのオチもないんです(笑)。将来こういうことを研究する人になるなんてこともおそらくないし(サッカー選手になりたいとか、宇宙関係の仕事がしたいとか、ドクターヘリのパイロットになりたいとか、お金持ちになりたいとか言っています)、マンガも、ゲームもサッカーも大好きな小6です。そんな日々の中で、おもしろいと思ったことにふれたとき、一歩、手を伸ばしてみる。そうしたら、こんな世界があった! というなんでもない経験が、この先の人生を豊かにしてくれるのかなと思って。ちなみに、私は、この文字らしきものを、書くことも読むこともできません。まちがっていてもまったく気づかず、わからずで、「すごいね」しか言えなかったのがきっと良かったんだと思います。

<駒沢エリアの子どもたちの情報お待ちしています! こんなわが道を進んでいるよ。だれにも評価されないけれど、これが好き!これに興味がある! こんな特技があるよというわが子、友人、知人がいたら、編集部までお寄せください><comorevimagazine@gmail.com>

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