地元の人が頼りにする歯科医院を目指す。W医院長が駒沢の地で描く歯医者像【後編】<テナントインタビューその⑥>

2025年秋に駒沢大学駅前にオープンする商業施設に、新たな歯科医院をオープンすることになった、大志グループの中村先生と川口先生。後編ではおふたりの得意な歯科治療や、駒沢に根付く歯科医院にしたいという理想についてお話を伺いました。

左:川口寛史 先生 / 右:中村拓人 先生

歯の治療をせずに、話だけすることも

お二人はどんな歯医者さんが、いい歯医者さんだと思いますか?

川口

治療について、しっかり説明してくれるところなら、安心だと思います。

あとは患者さんの話をちゃんと聞いてくれるところですね。一方的に説明されて、そのまま治療が進んでしまうこともありますよね。「自分の意見は聞いてもらえないのかな?」と感じることもあるので、ぼく自身もそうならないように気をつけています。

患者さんの話を聞くことを大切にされているんですね。

川口

もちろんベストな治療法というのはありますが、患者さんによって通える頻度が違ったり、見た目や機能面など、何を優先するのかも違うので、しっかりヒアリングして、ベターな治療法を探ることを大切にしてますね。それがベストになると、よりいいと思っています。

中村

ぼくも川口先生と同じですね。一人ひとりライフスタイルも違いますし、ベストな治療を計画しても、患者さんが怖いと思ったり嫌だと思ったら、要望に合わせてベターな方法を探ります。治療の予約をして訪れた患者さんでも、気分が乗らない場合は治療をせずに話をするだけのこともあります。

歯は体調などでも変わりますね。

川口

抜歯の予定だったけど「最近調子いいから」と、話だけして帰る方もいらっしゃいます。そういうときは「痛くなったらまた来てくださいね」と伝えてますね。

なんだか、友だちのような関係。

川口

患者さんの本音を引き出せるようになると、より治療に活かせるので。本音を伝えてくれるようになると、嬉しく思います。

おふたりとも威圧感がなくて、話しやすくて、通いたいなと思わされます。

中村

ガタイだけ、威圧感がありますね(笑)。

マニュアルはなし。ドクターの個性がのびのび活きる環境

患者さんへのヒアリングを大切にしているおふたりですが、その考えは大志グループ全体に通ずることなんでしょうか?

【川口】 「相手がどう感じるかを、常に考えながら行動しなさい」と、理事長がよく言っています。治療について明確なマニュアルがあるわけではないんですが、大志グループ全体として、モラルや価値観のような、言葉にはしづらいけど共通した意識を持っていると感じますね。

【中村】 マニュアルを作れば、その通りに進めることはできます。でも、実際はマニュアル通りにいかない場面も多くあります。その意味で、基本的な治療方針については、各歯科医院のドクターに裁量が任されています。

医院によって個性が違うんですね。

【川口】 全然違いますね。治療も院長の得意分野に寄っていくので、歯科矯正が強い病院、歯周病に特化した病院といった個性が出てきます。

駒沢の医院では、どんな個性が出そうですか?

【中村】 お互いに得意分野が違うので、駒沢の歯科医院ではそれらを融合して強みにしていきたいですね。ぼくはオールラウンドにやっているんですけど、インプラントや歯周外科が得意です。

【川口】 ぼくは歯科矯正と、神経の治療が得意で大志グループ内で教えることもあります。患者さんにはあんまり好かれない診療なんですが…。

【中村】 神経治療はずっと口を開けてないといけないのも大変だよね。

【川口】 何回か通う必要も出てきますし。でも、ぼくは時間が許すなら、1回で終わらせるようにしています。

それはすごく早いのでは。

【川口】 本来、神経の治療は、回数を重ねると感染もしやすくなるので、患者さんにとってもよくないんです。診療時間が15分くらいの病院だと何回も通う必要がありますが、ぼくは1回1時間くらいとって、多い人でも3回で終わらせるようにしています。患者さんも楽だし、いい結果に繋がるのでwin-winという考え方です。

診療時間もドクターごとの裁量で決められるんですか?

【中村】 はい。それが大志グループの方針ですね。治療に対してドクターが必要だと思う時間を、十分にとって処置しています。

歯医者は何回も通わないといけないイメージがあるので、それは患者さんも助かりそうです。

【川口】 患者さんのご希望も汲んで対応していますね。例えば、一度にしっかり治療を進めたい方は長めの時間を確保しますし、仕事のお昼休憩の合間に来る方は、一度につき30分ほどで終わるように調整しています。ただ、僕たちも唯一抗えないのが保険診療のルールですね。1日にできる治療内容が制度上決まっているので、ご希望に沿えない場合があるのは心苦しいところです。

「あそこがいいよ」と口コミで広がる歯医者になりたい

「こんな歯科医院にして行きたい」という理想があれば教えてください。

【川口】 駒沢に住んでる方たちが、歯について困ったときに「あそこがいいよ」と口コミで広がっていくような、そんな歯科医院にしたいです。早急に歯の痛みをとってほしいとか、詰め物が外れてしまったとか、患者さんの悩みをいちばんに改善することを大切にしたいと、中村先生とも話しています。歯で悩んでいることがあれば、気軽に来ていただきたいですね。

【中村】 僕も地元の歯医者さんのように、地元の人たちから愛されていて、みんなが通う医院にしていきたいです。先生が本当に優しかったので、楽しみながら行ってた覚えがあるんです。なので、治療のために行くんだけど、後ろ向きではなくて「行きたい」と前向きに思ってもらえるような場をつくりたいです。

素敵です。おふたりには、歯の治療以外のことも相談できそうだなと思いました。

【川口】 やっぱり歯医者を怖いと思っている人の方が、治療する場所が多かったりするんですよ。僕は広島出身なんですけど、患者さんが「先生の地元は広島だったよね。あそこのお店に行ったよ」と話してくれたことがあって。そんなふうに気軽に話せる環境をつくることで、歯医者に対してのハードルを下げて、楽しんで来れるような場になるといいですね。

text / Lee senmi

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