前編では、2015年11月にオープンした「ストライドラボ駒沢店」と、店長・早川依理子さんの歩みを紹介しました。後編では、「そもそも足にいい靴とは?」という素朴な疑問から、駒沢店ならではの品揃え、靴選びの相談まで、足元から健康を考えるためのお話をたっぷり聞きました。

「ゼロドロップ」と「フットシェイプ」|足本来の機能を取り戻す靴選び
そもそも「足にいい靴」とは、どんな靴なのでしょうか。
【早川】ポイントは大きく2つあります。
ひとつは「ゼロドロップ」。これは、かかとからつま先までの高低差がないことです。高低差があると、履いた瞬間に体が斜めに傾きます。それを無意識に立て直そうとすることで、反り腰のような姿勢の崩れにつながることがあるんです。スニーカーはすべて体にいい、と思いがちですが、実は違います。まずはここから見直して欲しいなと思います。

もうひとつは「フットシェイプ」。これは、足の指が本来の形のまま、5本しっかり広がって収まるつくりのこと。指がきちんと広がることで、足のアーチも本来の働きをしやすくなります。アーチが機能しないと、一歩ごとの衝撃を膝や腰などがダイレクトに受け続けることにもつながります。
「ゼロドロップ」と「フットシェイプ」。この2つが揃っている靴が、私たちが考える「足にいい靴」です。


最近人気の厚底シューズは、足によくないのでしょうか。
【早川】厚底でも高低差のない設計のものを選べば、おしゃれを楽しみながら足の機能にも配慮できますよ。
厚底にはクッション性が高く、長時間歩いても疲れにくいというメリットがあります。ただ、本来、足は着地のたびにしなって、バネのように推進力を生み出すもの。厚みのある靴を履き続けていると、足そのものがしなやかに動く機会が減って、「靴に歩かされる感覚」になりやすいんですね。


履き分けることが大切なのですね。
【早川】そうですね。日常のどこかで、少し薄いソールの靴を取り入れてみてほしいです。足の裏には、実は手のひらと同じくらいたくさんの感覚器があります。足裏から入ってくる情報を感じることで、バランスよく立つための感覚も養われていきます。
ただ、いきなり薄いものに変える必要はありません。短い距離から少しずつ慣らしていくのがおすすめです。

駒沢店は日常履きも充実。 シーンに合わせてソールを履き分ける
外ソールの厚いもの、薄いもの、さまざまなシューズがありますね。駒沢店ならではのラインナップについて教えてください。
【早川】「ランナーの聖地」と呼ばれる駒沢ですが、駒沢店が力を入れているのは、実はライフスタイルシューズ、つまり日常履きの充実なんです。
走るときだけでなく、毎日の生活のなかで履く靴だからこそ、足のことを考えて選んでもらいたいです。
アメリカのブランド「アルトラ」をはじめ、足の健康とおしゃれを両立させようとがんばっているヨーロッパのブランドも積極的に取り入れています。
「どんな靴なら、気分が上がって履きたくなりますか」とお客さんに聞いて、取り入れることもあります。
革靴や登山靴も含めて、価格帯は2万円台前半から3万円台が中心です。ひとつの靴に頼りきるのではなく、シーンに合わせてソールの薄いものと厚いものを履き分けていただくことも提案しています。

お店では、どのように相談にのってもらえるのでしょうか。
【早川】靴を選ぶ前に、足の実寸を測定しています。足の特徴を確認しながら、実際の足の長さに、約1.3センチほどの余裕を持たせたサイズをおすすめしています。
測定すると、足の傾きや外反母趾の状態も自然とわかるので、そこからカウンセリングが始まります。
店内には、足の指を鍛えるバンドや、足裏でコロコロとボールを転がして感覚を取り戻すグッズ、バランス感覚を養う台も置いています。靴を買う前に、まずこちらを試される方もいるんですよ。
膝や腰に不安がある方には、クッション性のある一足を無理のない範囲で提案しています。
靴下は、指が自由に動く5本指タイプがおすすめですね。外反母趾の方は、指を締めつけない靴下と組み合わせるだけでも、履き心地がぐっと変わりますよ。


まずは足の実寸測定から|公園のどんぐりを踏んで試せる体験型カウンセリング
試し履きをして、実際に歩いたり走ったりすることもできるのでしょうか。
【早川】試し履きができるシューズがあるときは、実際に駒沢公園を走ってもらうこともできます。走らなくても、公園の木の枝やどんぐりを踏んで履き心地を試してください。
平らなところを歩くだけではわからない感覚ってありますよね。「今まで履いていた靴と違う!」と、ワクワクを感じてもらえると思います。


最後に、お子さんや、これから靴を選ぶ人へのアドバイスをお願いします。
【早川】お子さんの足も、実は今、油断できない状況なんです。生まれたときは指がしっかり開いている赤ちゃんの足も、先の細い靴を履き続けることで、小学校に入る頃には少しずつ外反母趾のような傾向が出てしまうことがあります。
成長期の大事な時期だからこそ、足が本来の形のまま、指を広げていられる靴を選んであげてほしいですね。
大人も子どもも、まずは自分の足の状態を知ることから始めましょう。お店に来てもらうのはもちろん、「走り方講座」や、土曜朝ランなど、走ったことがない方でも気軽に参加できるイベントも用意しています。
足元から、一緒に健康をつくっていきましょう。




STRIDE LAB 駒沢店
〒154-0012 東京都世田谷区駒沢5丁目22−7 THE GATE 1B
TEL:050-1570-8171
営業時間:木・金・土・日/11:00~18:00 月・火・水/定休
Instagram @stride_lab_komazawa
text/ shino iisaku photo/ aya sunahara
『今日の駒沢』編集部
駒沢エリアの情報を発信するウェブマガジンの編集部です。駒沢大学駅に隣接した商業ビルの運営・施設管理・テナントへの賃貸業務を26年、株式会社イマックスが、駒沢エリアに住む人、働く人、活動する人…とたくさんの市民の方々と一緒に運営しています。「駒沢こもれびプロジェクト」を通じて、駒沢エリアに関わるすべての方々に役立つ情報を発信しています。
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