
2025年秋に駒沢大学駅前にオープンする商業施設に、10店舗目をオープンすることになった「WOODBERRY COFFEE」。後編では、木原さんが地球の環境問題に目を向けることになったきっかけ、駒沢で実現したい店舗の構想についてお話を伺いました。
コーヒーを飲んだついでに、ひとつアクションを
木原さんが地球環境問題や世界の貧困に関心を向け始めたのは、コーヒーがきっかけだったのでしょうか?
【木原】アメリカに留学している時ですね。「宇宙船地球号」(詳しくは前編に)という概念も大学で学びましたし、通っていた大学は世界中から留学生が学びにきていました。
そこで初めてエチオピア人に会ったし、ケニア人やメキシコ人、中国人の友だちもできました。飲みながら自分たちの国の話をしていると、「隣人」として世界中の国のことを感じられるようになって、それが自分の意識が大きく変わったきっかけだと思います。

ある国の人と友だちになると、その国のニュースが気になったりますよね。おいしいコーヒーを飲んだ時に、初めて知る国もあったりします。
【木原】うちではコーヒーの豆の説明もしっかりさせていただいているんですが、おいしいコーヒーを飲んだついでに、ひとつ気づきを得ていただけたら嬉しいと思っています。
日本にいるとなかなか感じづらいのですが、産地に行くと、地球温暖化の足音が迫ってきていることを感じるんですよ。
普段雨が降らない時期にスコールが降って収穫したコーヒー豆が全部ダメになることもありますし、地球温暖化の影響でコーヒーが収穫できなくなるかもしれない「コーヒーの2050年問題」もあります。
2050年問題。 そういった問題に目を向けるきっかけにもなりそうですね。
【木原】「ポイ捨てやめよう」とか、「次に買う車は電気自動車にしよう」とか、それくらい軽いアクションから起こすきっかけになるといいと思っています。

みんながホッとひと息つけるお店に
店舗ごとに街の雰囲気をコンセプトやメニューに取り入れてるウッドベリーさんですが、駒沢の店舗はどんなお店になる予定ですか?
【木原】路面店ではなく2階に出店するので、ひと息つけるような落ち着いたお店にしたいと思っています。おそらく、メインともなるフリースペースの横で、テラス席もあるので、それこそ木陰で休憩しているような雰囲気にしたいです。
どんな人たちにお店を利用していただきたいですか?
【木原】僕自身、2歳の子どもがいるんですが、子どもが生まれてから路面店にはなかなか行けなくなったんですよ。電車より車移動が多くになって、オムツの交換ができるトイレをと考えると、商業施設に行くことがすごく多くなりました。そんなふうに、路面店に行きづらくなったという人たちにも、楽しんでいただけるとうれしいなと思っています。

ブラジル1位のコーヒーを駒沢で
どんなメニューが楽しめるのでしょうか?
【木原】WOODBERRY COFFEEで提供しているフルラインナップをお出しする予定です。
僕自身もヴィーガンなんですが、環境問題への配慮も含めてヴィーガンメニューに力を入れていますね。野菜もオーガニックの八百屋さんから仕入れていますし、スイーツもなるべく砂糖を使わずにメープルシロップやオーガニックのきび糖で代用しています。
そういった料理はコーヒーとも調和がとれてすごく合うんです。砂糖や油が多い食事だと、スペシャルティコーヒーの繊細なフレーバーを感じにくくなってしまうことが多いので、浅煎りのコーヒーにも合うようなメニューを作っています。

駒沢店ならではのメニューはあるのでしょうか?
【木原】駒沢店限定のヴィーガンカレーをうちのシェフが開発中です。コーヒーも、新しい国や新しい農園を自分たちで開拓してるので、いろんなコーヒーを楽しめると思います。今年はオークションにも積極的に参加していて、ブラジルで開催された品評会で1位になった豆も買ったので、それも駒沢で楽しめる予定です。
ブラジルで一番おいしいコーヒーを飲めるんですね。すごく楽しみです。駒沢の店舗で新しく挑戦したいことはありますか?
【木原】より幅広いお客様にお越しいただけると思うので、これまでの集大成じゃないですけど、もっと多くの人にスペシャルティコーヒーを知っていただけるとうれしいです。


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text / senmi lee photo / ikuko soda
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