街を少し歩けば緑の看板を見かけるほど、日本全国に根付いているカフェ「スターバックス」。ただのカフェではなく、人と人とのつながり、居場所を育んでいます。
そんな独自の世界観を展開しているスターバックスが、「KOMAZAWA Park Quarter 」(駒沢パーククォーター)にオープンします。店長となる中尾さんに、地域のみなさんも馴染みのある用賀店でインタビューしました。


お客さまとのあいだに、ぬくもりが生まれる
中尾さんは駒沢パーククォーターの新店で店長を務められると聞きました。スターバックスで働き始めてどれくらいになるんでしょうか?
【中尾】2005年にスターバックスに新卒で入社したので、ちょうど20年ですね。
おお。2005年というとまだまだ店舗数が少ない時期ですよね。
【中尾】当時は全国で200店舗くらいでした。ちなみに現在は2000店舗ほどあります。
10分の1のころに! その時代にスターバックスに就職しようと思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか。
【中尾】地元が三軒茶屋なんですが、学生のころに初めて行ったスターバックスが三軒茶屋店だったんです。フラペチーノ®のお店という印象があったので、キャラメル フラペチーノ®を目指して行きました。そしたら店員さんが、ドリンクの話だけではなく、わたしが持っていた財布を見て話しかけてくれて、話しがはずんだのが印象的だったんです。
お財布の話だったんですね。
【中尾】想像とちがったコミュニケーションが生まれるというのは、おもしろいと思いました。就職を考えていたとき、「誰かと話していると、知らず知らずにもぬくもりが生まれるようなところで働きたい」と考えていて、新卒でスターバックスに入社しました。

店舗で働く人たちが、フランクに話しかけてくれる雰囲気がありますね。そういったお客さんとのコミュニケーションも含めて、スターバックスはどんな世界観をもっているのでしょうか。
【中尾】一杯のコーヒーから、生活に潤いと活力を与えるという理念が、会社として根づいています。新しくスターバックスに入社したパートナー(従業員)は入社した初日に、生産地でコーヒー豆を収穫するところから始まる動画を見ます。これはスターバックスらしいカルチャーで、特に若い人たちは、コーヒーが木に成る豆から作られていることを知らない人もいるので、えー! と衝撃を受けていますよ。毎年、アルバイトを含めた希望者50人ほどがコーヒーの生産地を訪ねるプログラムもあるんです。

カスタマイズにはお客様の人数分の可能性があるんです
新店で店長を務められる心持ちはいかがでしょう。
【中尾】今回の新店立ち上げは、ずっと希望してきたことなので、わたしにとっては一大チャレンジなんです。新店ができると聞いてからは、ことあるごとに上司に「やってみたい」と伝えていました!(笑)。地元に近い上馬に新店がオープンすることにも、気持ちが高まってますし、地元の仲間にも伝えていますし、地域で盛り上がっていかれるのはとてもいいですよね。
たくさんの方に応援されていますね。駒沢1丁目にもスターバックスの店舗がありますが、どんな違いがあるのでしょうか。
【中尾】駒沢1丁目店はスターバックス リザーブ®のコーヒーを使用した特別なメニューを提供する店舗で、今回、新たにオープンするスターバックスは、みなさまになじみのあるエスプレッソビバレッジやフラペチーノ®、ティーラテなども楽しんでいただけます。

新しいメニューの展開などはありますか?
【中尾】通常のスターバックスの店舗で取り扱っているメニューをご用意しているのですが、お客さまのニーズに合わせたドリンクやカスタマイズはどんどん提案していきたいと思っています。お客様の年齢層も幅広いと思うので、その方に寄り添いながら一緒に考えていきたいですね。
わたしはいつもチャイ ティー ラテしか頼まないのでぜひ相談してみたいです。
【中尾】ぜひアレンジを楽しんでくださいね。 カスタマイズには無限の可能性がありますし、より好みの味を見つけられます。例えば、チャイ ティー ラテは甘めのティーラテなのでコーヒーを入れるとビターな味わいにできますし、ミルクをアーモンドミルクに変更するのもおいしいんです。パートナー(従業員)によって、お伝えする内容も違うと思うので、ぜひ相談してみてくださいね。

ドリンクがお気に入りになると、また行きたくなりますね。
【中尾】スターバックスのドリンクのカップには、商品名やカスタマイズ内容を印字したラベルシールが貼られるんですけど、大事に手帳に貼ったものを持ってきてくれるお客さまもいらっしゃいます。駒沢の新店でも、そんなふうにお客さまひとりひとりに向き合いながら、駒沢の地域ならではの空気感がつくれたらいいなと思っています。

店長としてーー、家族も仕事も。お客さまへの心配りにも通じること。
中尾さんは、これまでもいろんなことを乗り越えられてきたと思うのですが、これはしんどかった!ということはありますか?
【中尾】仕事面では、とにかく前向きな性格なので、いつも元気にやってきているかなと思うのですが、やっぱり家庭と仕事の両立と、子育ては大変なこともあります。いま子どもは10歳なんですけど、自分の人生において何が大切なのか天秤にかけた時に、家族も仕事も全部大切だから、比べようがないんです。早番の時には朝から働いてますし、遅番だと夜までだったりするので、上手にバランスをとらないと心が追いつかず、ふりかえれば、すごく難しい時期もあったと思います。

そういうときはどうするんですか?
【中尾】いっしょに働くメンバーや上司に相談ですね。あとは家族会議です(笑)!
お店にも、お子さんと同年代の子どもを連れてこられる方もいらっしゃいますよね。
【中尾】そうですね。苦しい経験がある分、お客さまの気持ちを察することができるのだと思います。仕事での経験や子育ての実体験があってこそですね。お客さまの求めているシーンがそれぞれ違うので、店舗のメンバーひとりひとりのバックボーンが生かされる場面がたくさんあると思います。

お子さんはお母さんのお仕事をどんなふうに見てますか?
【中尾】保育園の頃は「コーヒー屋さんになる」と言っていたんですよ。だから自分の仕事がいい意味でうまく伝わっててよかったなと思っていました。いまは本屋さんになるそうですよ。
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念願だった地元のスターバックスで店長となった中尾さん。絶賛採用中のパートナーと、駒沢でつくっていきたいお店の理想とは? 明日の後編に続きます。
text / Lee senmi photo / ikuko soda
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