「こまざわパークヨガクラブ」代表・星野かおりさんインタビュー〈前編〉|事務職からスタジオ設立、ヨガでつながる街の暮らし

インタビュー

駒沢公園通り沿いのヨガスタジオ「こまざわパークヨガクラブ」。そこで代表と運営を務めるのが、星野かおりさんです。かおりさんは、駒沢こもれびプロジェクトに初期から関わってくださり、今年の夏に開催した駒沢パーククォーターB1階zawazawaでの期間限定ヨガクラスのプロデュースも務めてくれました。

パッとその場が輝くような笑顔が印象的なかおりさんは、駒沢でヨガを広めていきたいという思いを持っています。何事も楽しく取り組んでいるように見えますが、その秘訣はどこにあるのでしょうか。前編では、ヨガとの出会いのきっかけや、偶然の重なりによって誕生した「こまざわパークヨガクラブ」について、お話を伺いました。

まず、かおりさんがヨガと出会ったきっかけを教えてください。

【星野】ヨガとの出会いは、ちょうど20年前の2006年の頃ですね。週末に司会の仕事をしていて、毎週土日はすごく忙しいけど、平日は意外と時間があったので、何かしようと思って。当時は用賀に住んでいたんですけど、ちょうど家の近くにヨガスタジオができたので、平日だけアルバイトに行ってみようかなと気軽に応募したのがきっかけでした。

アルバイトというのは、ヨガインストラクターとしてですか?

【星野】新規オープンのお店だったので、インストラクターだけじゃなくてフロントのスタッフも募集していたので、事務の方ですね。ヨガで体が変わったからとか、劇的なものじゃなくて、現実的な感じなんですけど(笑)。

じゃあそれまで、特にヨガをされたこもなく。

【星野】そうですね。どちらかというと、ダンスとかもっと激しく動いていたかな。だけど仕事を始めて、やっぱり自分がヨガを知らないと、生徒さんにオススメすることもできないので、一生懸命、そのスタジオで始めました。ダンスともまた違うし、いろんな哲学もあるし、ヨガって意外と奥深いと思って。

一時期はインストラクターとして教えてもいたんですけど、お客さんと一緒に「こんなことをやりたいよね」とか、「こういうクラスがほしいよね」と考える方が楽しいなって、純粋に思ったんです。それで教えるのは辞めて、事務方としてやっていって、今に至る感じですね。

バーのママをしていたら、ヨガスタジオを立ち上げることに⁉︎

裏方の楽しさに目覚めたのをきっかけに、こまざわパークヨガクラブも立ち上げたんですか? 

【星野】それも少し違って。勤めていたヨガスタジオがクローズすることになって、半年ぐらい仕事をせずに遊んでた時期があったんですね。そのとき人生で一回くらいバーのママになってみたくて、たまたま家の近くにお友達のバーがあったので、「定休日だけ貸してくれない?」って相談してバーを開いたんです。

近所に住んでいる知り合いの方が「かおりさんがやってるなら、一杯飲みに行くよ」って遊びにきてくれて。そこで「駒沢って、ヨガスタジオがないの知ってる?」って言われて。そういえばないなと。「朝ヨガをやりたいんだけど、どこかでできるとこない?」って聞かれたので、「駒沢公園があるし、朝もやってるんじゃない」って答えたら、「ちゃんとしたスタジオでやりたいんだよね」と。

しっかりと教えてもらえるところがよかったんですね。 

【星野】実はその方は不動産屋さんで、「駒沢公園通りにいい物件があるから行って見てきて」って、今となっては天の声のように言われて。ヨガ業界に15年ぐらいいたので、ヨガができるスペースが家の近くにあるなら、知っとくに越したことはないと思って、行ってみました。

すごい行動力。 

【星野】そしたら、すでにヨガのクラスが3本ぐらいあってたんですよね。私は早朝の時間を貸してもらえたらいいと思っていたので、オーナーさんのお話を聞きながらヨガのアドバイスをしていたら、「かおりさん、朝に自分のレッスンもしていいから、いまのレッスンもまとめてクラスを開講してくれないですか?」っていうお話をいただいたんです。

なんと。 

【星野】ヨガのスタジオ運営については経験があったので、できるかもしれないなって。とりあえずインストラクターと二人三脚で始めてみればいいし、ダメだったら辞めればいいやってくらいの気軽な気持ちでスタートしました。前のスタジオで、ヨガの先生を育成するティーチャーズトレーニングの事務局をやっていたり、他のスタジオのオープンをサポートしていた経験があったのも大きかったです。

15年間続けていましたからね。

【星野】駒沢にはヨガをしたい人がたくさんいるだろうし、駒沢にヨガが広まっていったらすごくいいなって、そういう未来が想像できたのもありました。

始めるにあたって、不安はありませんでしたか?

【星野】あんまりなくて、ポジティブな気持ちの方が強かったです。始めてからの7年間も、変な話クレームも本当にないので、おかげさまでネガティブ思考に陥ったこともないですね。 

ヨガインストラクターの推し活

実際に朝ヨガを始めてみて、反響はどうでしたか?

【星野】スタートしたのがちょうどコロナ禍だったので、最初は生徒さんが本当に少なくて、どうなるのかと思った時期もありました。でもコロナでオンラインレッスンがわーっと広がった時に、「やっぱり対面がいいんだよね」っていう方たちが足を運んでくれたので、一人一人と向き合いながらお話を聞いていました。

先生たちも、いまは15人ぐらいいるんですけど、最初は5〜6人。体験にきてくれた人が楽しいと感じてくれるといいなと思っていたので、先生たちもうまくコミュニケーションを取ってくださって。確実にヨガの輪を広げていったので、コロナの頃に入った方は、今も続けてる方が多いです。

生徒さんがヨガを楽しく思ってもらうために、インストラクターの先生たちに伝えてることはありますか?

【星野】自然体がいいかなと、特に伝えていません。ヨガを伝えたくて先生になっているので、自分が好きで得意なことを、ヨガに興味を持って来てくれた方に、熱意を持って素直にすすめてくれればいいかなと思っています。あとは前のスタジオでティーチャーズトレーニングに来た子たちが、うちのスタジオで教えてくれてるんです。ティーチャーズトレーニングって200時間くらい勉強して取るんですけど、私はその200時間にずっと付き合っていたので、もともとコミュニケーションが取れていたのは大きかったのかもしれないですね。

前のスタジオで関わりのあった人たちが来てくれてたんですね。

【星野】よくよく考えたら、みんな駒沢近辺に住んでるし、先生たちに活躍できる場所を作ってあげられるのも嬉しいし、それで駒沢にヨガの輪が広がっていったら、こんなに最高なことはないっていうふうに思い描いてた記憶がありますね。 

最初は5人から始めて、いまは15人まで先生が増えていったんですね。もっとヨガを広めていこうという想いがあったんですか?

【星野】広めていきたいというよりも、私自身もレッスンを受ける側なので、この先生に来てもらいたいっていう気持ちが生まれる方とやりとりして、クラスを増やしていきました。自分の推しティーチャーがうちのスタジオで人気になると嬉しいじゃないですか。 

確かに。

【星野】そういう推し活要素も、もしかしたらあるのかもしれません。ヨガ業界にはヨガフェスタっていう大きなイベントがあったり、季節を問わずにいろんなところでヨガのイベントがあるので、そこに顔を出したり、気になる先生がいると必ず受けに行きます。

いろんなところに足を運んで人との繋がりを作りながら、スタジオができていったんですね。通ってる生徒さんたちはどんな方が多いですか?

【星野】いろんなクラスをやっているので、いろんな年代の方がいらっしゃいます。女性も男性もいるし、様々ですね。早朝のクラスは50代の年代の方が多くて、9時45分のクラスはママたちが多いですね。あとストレッチのクラスは、ママがお子さんと一緒に参加しています。

朝ヨガはメンタルに効く

パークヨガクラブは朝ヨガが特徴ですが、気持ちや体の面で、他の時間帯と違いがあるんでしょうか?

【星野】1日の時間をすごく有意義に使えると、皆さんおっしゃいます。やっぱり朝から運動してる自分が1日続くので、自己肯定感がすごく上がるみたいです。もちろん体の柔軟性が上がったり、肩こりや腰痛から解放される体にとっていいこともあるけど、朝に頑張って起きて、ヨガをしてから仕事に行ったり、お家のことをしたりするのがメンタルヘルスに効いてるんじゃないかと思います。

スタジオの大きな窓からは、朝の光がしっかりと入って気持ちよさそうです。

【星野】ほんと、それも良かったんですよね。窓が大きいし東側だから、朝ヨガの時間だけはサンサンと太陽の光が入ってくる。予想外のことだったんですけど、始めてみたら太陽が入ってくるじゃん!って嬉しかったです。

こまざわパークヨガクラブという名前も、すごくわかりやすいです。

【星野】誰にでも愛される名前がいいなと思った記憶があります。スタジオも自分の居場所にしてほしいし、駒沢の人に馴染みやすい名前を考えました。ただ、パークヨガスタジオじゃなくて、パークヨガ「クラブ」にしたのには、こだわりがありました。スタジオというよりも、人が集まるコミュニティにしたいのと、あとは自分が所属するクラブハウス的な感覚で来てもらえたらいいなっていう思いがあったんです。

素敵ですね。

【星野】実際に皆さんすごく仲良くヨガをして、おしゃべりをしています。生徒さんにはシンガーさんや絵の個展をやる方がいて、そういう話がヨガの前後に起こると、「行く行く」とヨガの生徒さん同士で行き合ったり、私や先生たちも行ったりするので、そうやってハッピーな関係性を作られているのは、すごく嬉しいことですね。私にとっても、すごくプラスの幸せがあります。

まさにヨガを通してね、いろんなつながりが生まれていくのがすごく素敵です。

【星野】それがテーマだったし、本当にいい方たちばかりで、とてもありがたいです。

全部自分で決められる楽しさ

【星野】あと、前のスタジオに勤めていた時と、いまとで大きく違うのは、やっぱり自分で全部決めて進めていくから、つっかえがないというか。やっぱり誰かに言われてとか、これをしないと売り上げが上がらないからというプレッシャーが全くなくて。自分で決めて進めていくので「楽しい」しかありません。

自分で全部決めていくということは、責任も全部負うことになると思います。そういうプレッシャーもないんですか?

【星野】会社にいる時は感じましたけど、いまは全然感じません。やった分だけ金額的にもプラスになるし、失敗したらその分マイナスになるので。

シンプル。 

【星野】そう。シンプルで分かりやすいし、失敗も全部自分のせいだから、人のせいにはできません。そこがすごく楽です。それに朝ヨガスタジオを全国各地に開こうとも思わないので、 きっと自分が面倒を見られる範囲でやってる方がいいんでしょうね。逆に言うと、人に任せられないのかもしれないです。 

インストラクターさんもたくさんいらっしゃって、関わる人も多いので、任せているんだと思うんですよね。その辺の距離感やバランスは、どう取っていますか?

【星野】クラスに関しては、思い切ってお任せしています。「こういうクラスにしてください」とは言わずに、「自分がやりたい好きなことを、クラスの中で自由に表現してみてください」と伝えています。新しい先生たちは年代も若いし、いっぱいコミュニケーションを取って、まずは私自身を信頼してもらわないと仲良くなれないので。そういう意味では仕事と関係ない言葉のキャッチボールをしたり、レッスンの最初と最後に必ずいるようにしたり、外のクラスで受けられるものがあれば必ず受けに行きます。そんなことを、彼女たちを知るためのコミュニケーションとしてやっているかな。

信頼関係が生まれたら、あとはその子たちと楽しく過ごしています。みんな可愛いんですよ、本当に。今年のフジロックにもインストラクターをいっぱい連れてって。生徒さんたちも、「かおりさんがいるうちに行く」と言って来てくれたり。スタジオとは違うところでのコミュニケーションも、なるべく取るようにはしてます。でもそれは、自分で運営してるからできることかもしれないです。

例えば先生たちがクラスを持つなかで、迷い始めたらどうするんですか?

【星野】迷っていたら、いつでも相談に乗ります。インストラクターさんも成長段階があるので、自分の経験の中でアドバイスしたり。「かおりさんのアドバイスが欲しいです」って言われれば、もう喜んでクラスを受けてフィードバックをします。

インストラクターになると、みんなフィードバックがもらえないんですよ。先生になる勉強をしてる時はいっぱいもらえるんですけど、いざ先生になってクラスを持ち始めると、仕事は一人でやるので。何十人も相手にしながら、「これで大丈夫かな」「目指す方向性はこれでいいのかな」って不安になっちゃうことがあると思うので、クラスに出た時はレッスン代の代わりにフィードバックで返してあげようと思っています。

そういう方がいると心強いですね。

【星野】「フィードバックをすごく久しぶりにもらいました」ってベテランの方たちも言ってくれるし。zawazawaのオーディションの時も、全員にフィードバックしましたね。

あれも素晴らしかったですね。

*後編ではかおりさんがプロデューサーとして企画に参加した、zawazawaの期間限定ヨガクラスについて迫ります。

KOMAZAWA PARK YOGA CLUB

〒158-0081 東京都世田谷区深沢6丁目2−17 深澤パークサイド
定休日:日曜日
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『今日の駒沢』編集部

駒沢エリアの情報を発信するウェブマガジンの編集部です。駒沢大学駅に隣接した商業ビルの運営・施設管理・テナントへの賃貸業務を26年、株式会社イマックスが、駒沢エリアに住む人、働く人、活動する人…とたくさんの市民の方々と一緒に運営しています。「駒沢こもれびプロジェクト」を通じて、駒沢エリアに関わるすべての方々に役立つ情報を発信しています。