「駒沢の生活史・制作日記」生活史の聞き取りがすすむ。【2024年8月の記録】

駒沢こもれびプロジェクトのひとつに、「駒沢の生活史」があります。

生活史とは、「ある人が、どのように生まれ育ち、周囲とかかわりながら、そこでどう生きてきたか」をまとめたもの。40名の参加メンバーそれぞれが、駒沢に住んでいたり縁があったりするひとへ話を聞きに行き、1万字の文章としてまとめます。

生活史の公開は、2025年1月から。この「駒沢こもれびマガジン」内にて。

今、参加メンバーは、粛々とそれぞれの作業を進めています。完成ももちろん楽しみですが、生活史の面白さは、その過程にもあるような気がしています。スタッフ・熊谷が書き溜める「駒沢の生活史・制作日記」から、その片鱗を覗いてみてください。

前月号から覗きたいかたは、こちらから

8/3(土)
「駒沢の生活史」ファシリテーターの西村さんの「聞き方」を体験する会が数件、駒沢こもれびスタジオであった後、「相談お茶会」1日目を開催。「生活史の聞き方」ワークショップ以降、みんな、進んでる?という進捗を、お茶でも飲みながら報告し合おうという会。オンラインもつなぐが、基本は対面。参加者は少なく、『東京の生活史』経験メンバーのみが集まった。「東京の生活史は、この相談会がメインってくらい楽しかった」と、みな口を揃えて言う。コロナ禍ということもあっただろうけれど、相談会での岸さんの話がとても面白く、よかったのだそう。「他のメンバーの進捗」を聞くだけでも楽しかったと。「駒沢の生活史」の場合、「まだ相談できるようなことがない」と思う人も多かったのかもしれない。次回は「進捗報告会」という名前で、オンラインのみで開催してみようと、西村さんと話した。

8/5(月)
メンバーへ向けて週報をメールで送る。先週で聞き取りを終えたのは、4名。話し手が決まったと報告があったのは、19/40名。報告のなかには、聞き取りが3時間近くに及んだ、もっと話を聞きたかったというものもあった。

8/8(水)
西村さんからメンバーへ、聞きとりの始め方について共有があった。先日、メンバーと西村さんとが話した会話の文字起こしを例にして。その応答として、実際に西村さんに聞いてもらったメンバーからも感想が届く。印象に残ったのは「私だったら、『どう声をかけるのが正解だろう』と考えてしまう場面も、西村さんは『適切な対応をしようと考えていない』と言いました。『どう反応するべきか』と考えている時点で、矢印が自分に向かっているんだな…とハッとしました」という言葉。

8/10(土)
一日中、生活史のことを考えていた。スタジオでは、西村さんとメンバーふたりとが、聞き方の個別レッスンをしていた。18時半からは、オンライン報告会。十数名の参加。それぞれの進捗を報告し合う。先日メンバーからあった通り、進捗を聞き合うだけで楽しげな雰囲気が出来上がっており、いいなと思う。終わった後、個別にメンバーから「他のメンバーと聞きたいひとが被ってしまった」と連絡。西村さんからは「同じ話し手に、二人が聞くのは、本人(話す人)がOKならいいと思います」とあった。違うふたりだから、話もきっと違うものになる。それは、より駒沢の町を立体的にすることにもなりそうだと思う。

8/12(月)
今日も週報を送る。聞き取りを終えたのは、8名。話し手が決まったと報告があったのは、16/40名。世はお盆。メンバー内では聞き取りが粛々と進んでいる。

8/14(火)
進捗が滞るメンバーが少なくなってきた。フォローアップとして数名に連絡。とても困っている!という人はいなさそうだったので少し安心した。中には奥様に話を聞くことにしたという方も。改めて話を聞こうと思うその心持ちに興味が湧く。

8/15(木)
西村さんから、「今までスタッフ宛に届いていたメンバーの進捗報告を、いつもメンバー全員に宛ててもらうのは、どう?」という提案。メールでの進捗報告がほとんどなので、そのライブ感が一度に全員で共有できた方が、気持ちいいなと思う。次回の報告会で呼びかけることに。メンバーとスタッフが向き合っていたのが、全員で輪を囲むようなイメージになっていくといい。西村さんはそれを「広場化」と言っていた。
その第一弾?として、高校生の参加者で、受験と被っていることもありなかなか話し手を見つけられないというメンバーがいたので、情報求む!と西村さんから呼びかけ。すぐに3人のひとからレスポンスがあった。

8/17(土)
18時半から、オンラインで報告会。今回も8名ほどの参加。表情が明るくなっていくのが見ていておもしろい。さくっと終える。

8/18(日)
こもれびスタジオのスタッフメンバーから、「生活史の聞き取りでスタジオを使うときに、スタジオの意義を伝えきれなかった事例」があったと聞く。駒沢の生活史のメンバーはもれなく、こもれびプロジェクトの参加メンバーでもある。駒沢の町をよりよくという延長線上に、駒沢の生活史もある。生活史として話を語ってくださるひとはみな、駒沢のひとたちで、プロジェクトを知らない人たち。そのひとたちにとって、よい「初めまして」をつくる設計が甘かったかもしれない。もう一度見直そうとチームでも話す。

8/19(月)
週報を送る。聞き取りを終えたのは、10名になった。今日から進捗報告を全員宛でお願いをしている。

8/20(火)
全員宛で相談していた高校生の話し手が、無事に見つかった。よかった。

8/26(月)
今日も週報を送る。週末に何もないのが久しぶりで変な感じ。参加メンバー同士での進捗共有が絶えない一週間だった。それぞれが、それぞれの報告を注意深く読んでいることも伝わってくる。週報では、週末に「書き方」にフォーカスしたワークショップがあるので、その案内を送る。加えて、そのワークショップには、こもれびプロジェクトのドキュメンタリーを撮ってくれている橋爪くんという大学生が来る旨も伝える。

8/29(木)
台風が近づいてきている。ぎりぎりまでワークショップが開催できるか、ひやひやしながら見守る。直撃する場合は、オンラインで開催する予定だが、対面がもちろんいいなあと思っている。

8/30(金)
台風はかなり遅れるよう。無事に開催できそうでほっとする。

8/31(土)
「生活史の書き方」ワークショップ当日。午前に書き方のレクチャーを終え、午後は質疑応答と、西村さんが準備した余興をした。余興は互いの話したいテーマを宣言しあって、小さなグループをつくり、交流するというもの。西村さんが前から話している「広場化」のひとつ。お昼の時間、「あ、そのふたりが一緒にごはんにいくんだ」と思うことがあり、関係性が静かにできてきているのが感じられ、いいなと思った。いよいよ原稿を目にするようになる実感が湧き、緊張感の増す日でもあった。ワークショップにどちらも出られなかった人を中心には、オンライン補講を開くことになった。

▶︎駒沢の生活史・制作日記バックナンバー

【6月の記録】参加メンバーが決まる

【7月の記録】顔を合わせ、制作スタート

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